UVコーティングトップコートの製造にホワイトコランダムが添加されるのはなぜですか?
ホワイトコランダム(主に酸化アルミニウム)をUVコーティングトップコートに添加する主な目的は、その独特の物理的・化学的特性によってコーティングの総合的な性能を向上させることです。具体的な理由と作用メカニズムは以下のとおりです。
1. 耐摩耗性と硬度を向上
ホワイトコランダムのモース硬度は9.0と高く(炭化ケイ素やダイヤモンドよりわずかに低い)、UVコーティングトップコートに添加することで、コーティングの耐傷性と耐摩耗性を大幅に向上させることができます。特に、床塗装や産業機器コーティングなど、摩擦の大きいシーンに適しています。
作用機序:
ホワイトコランダム粒子がコーティング中に均一に分散し、強固な骨格構造を形成し、外部応力を分散させ、摩擦によるコーティングの損失を低減します。
2. 密着性と塗膜安定性を最適化
ホワイトコランダムパウダーは、塗膜内の微細な気孔を埋め、塗膜と基材の接着強度を向上させます。ホワイトコランダムパウダーの粒子は均一な形状で、表面粗度を高めることで機械的噛み込み効果を高め、塗膜の剥離を防止します。
実験検証:
ホワイトコランダムパウダーの添加により、特に金属やセラミックなどの滑らかな基材において、コランダムのUV塗膜密着性は20~30%向上しました。
3. 光沢と質感の向上
ホワイトコランダムパウダー(800#、1000#など)は白色で半透明の結晶であり、UVコーティングの透明性に影響を与えません。高い反射率によりコーティングの光沢を高めると同時に、粒子サイズ(120メッシュ、180メッシュなど)を調整することで表面のきめ細かさをコントロールし、マット仕上げや高光沢仕上げの要件を満たすことができます。
4. 滑り止め効果と耐候性を向上
ホワイトコランダムは、塗膜表面にミクロンレベルの隆起構造を形成し、摩擦力を高めます。特に床や階段などの滑り止めが必要な箇所に適しています。また、化学的に不活性(耐酸性・耐アルカリ性、耐紫外線性)であるため、塗膜の劣化を遅らせ、屋外や高湿度環境でも安定した性能を維持します。
5. 耐薬品性と耐高温性の向上
ホワイトコランダムの融点は2050℃と高く、UV硬化プロセス中も安定した状態を保ち、高温や紫外線による分解を防ぎます。有機溶剤、酸、アルカリ(pH中性)に対する強い耐性により、基材の腐食を防ぎ、コーティング寿命を延ばします。
主な用途:
動力電池用UV絶縁コーティング:従来のPET「ブルーフィルム」に代わるコーティングで、より高い誘電強度と耐薬品性を提供します。
化学設備用防錆コーティング:酸・アルカリ媒体による侵食に耐えます。
6. ホワイトコランダムの技術選定におけるポイント
粒度選定:
120~180メッシュ:耐摩耗性と滑り止め性の向上(床塗料、工業用チャンネル)。800
~1000メッシュのマイクロパウダー:表面平滑性の向上(高級家具、電子製品コーティング)。
添加率:
コーティング剤の総重量の2~5%を推奨します。添加量が多すぎると流動性が低下したり、コストが上昇したりする可能性があります。
プロセス適応:
均一な分散を確保するために十分に撹拌し、凝集による硬化効果への影響を防ぎます。
要約:ホワイトコランダムは、UVトップコートにおいて「多機能エンハンサー」の役割を果たします。耐摩耗性、硬度、密着性といったコア特性を向上させ、光沢、滑り止め、耐候性にも配慮することで、工業用保護コーティングや高級装飾コーティングの優先添加剤となっています。今後、新エネルギー・電子分野(例えば、発電電池の絶縁コーティング)におけるUVコーティングの拡大に伴い、ホワイトコランダムの高性能特性は更なる潜在能力を発揮するでしょう。